東京高等裁判所 昭和58年(ネ)3334号 判決
四 そこで、進んで、右使用貸借契約が終了したか否かについて検討するに、右契約の目的である建物所有のための相当の期間とは、これを機械的に定めることはできず、契約当時の主観的及び客観的諸事情、その後の事情の推移、経過した期間の長さなど諸般の事実を総合し社会通念に即して決するほかないが、関根及び控訴人が公園地である本件土地を使用するにいたったいきさつは前記のとおりで、いわば戦後の混乱期における特殊な事象ともいえるのであり、以来すでに三〇年以上も格別の支障もなく使用を続けてきたことからすれば、少なくとも契約目的に従った使用収益をなすに足るべき期間(民法五九七条二項但書)はすでに経過したものと認めるのが相当であるといわなければならない。
したがって、前記使用貸借契約は、被控訴人の本訴における返還請求によって終了したものというべきである。
(中島 佐藤 塩谷)